貸借対照表:負債と株主資本
貸借対照表は、債権者、投資家、アナリストに、会社のリソース(資産)とその資本源(資本および負債)に関する情報を提供します。通常、企業の資産の将来の収益能力に関する情報や、売掛金や棚卸資産から生じる可能性のあるキャッシュフローの指標も提供します。
負債は、過去の出来事から生じる会社の義務を表し、その決済は企業からの経済的利益の流出をもたらすと予想されています。
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2024-01-31), 10-K (報告日: 2023-01-31), 10-K (報告日: 2022-01-31), 10-K (報告日: 2021-01-31), 10-K (報告日: 2020-01-31), 10-K (報告日: 2019-01-31).
- 負債の変動と構造の変化
- 総負債は2019年の4940百万米ドルから2024年の8057百万米ドルに増加し、約63%以上の増加を示している。特に、流動負債は2019年の2301百万米ドルから2024年の4351百万米ドルへと大幅に増加しており、短期的な資金負担の増加傾向がみられる。一方、長期負債も増加しており、総負債に占める割合が高まっている。長期支払額や繰延収益の増加もこれを裏付けている。長期の法人税支払いと繰延法人税も増加傾向にあり、税務上の負担や計画の変化を示唆している。
- 自己資本の推移と財務健全性
- 自己資本は2019年の-211百万米ドルから2024年の1855百万米ドルへと改善している。特に2021年以降は自己資本の増加が顕著であり、純資産の回復につながっていることが示唆される。累積赤字は一時的に-2296百万米ドルまで拡大した後、徐々に解消され、最終的には黒字化に向かう傾向がみられる。これにより、財務の安定性および企業の資本構造改善が進んでいると評価できる。
- 収益性と資本構成の変動
- 普通株式および追加払込資本は2019年の2072百万米ドルから2024年の3802百万米ドルへと増加している。これにより、資本調達が積極的に行われていることが示されている。その他包括損失累計額は拡大を続けており、マイナスの評価損や損失計上の影響が継続している。総じて、資本の増加と負債の拡大は、企業が事業拡大または投資活動を推進している可能性を示唆している。
- その他のポイント
- 未収所得税や未払報酬の増加は、税務・報酬面の調整や企業の成長に伴う変動と関連している。長期オペレーティング・リース負債や長期支払手形の減少傾向は、リースや支払条件の見直しや負債管理戦略の変更を反映している。総じて、負債と資本のバランスシフトにより、財務基盤の改善とともに、財務戦略の調整が行われていると推測される。