Qualcomm Inc. (NASDAQ:QCOM)

過去6年間の財務データに基づき、営業活動によるネットキャッシュと資本に対するフリーキャッシュフロー（FCFE）の動向を分析します。

営業活動によるネットキャッシュ

2020年から2021年にかけて、営業活動によるネットキャッシュは大幅に増加し、5814百万米ドルから10536百万米ドルへと約81.7%増大しました。その後、2022年には9266百万米ドルに減少しましたが、2023年には11698百万米ドルと再び増加し、2021年の水準を上回りました。2024年には12293百万米ドルと緩やかな増加を示し、2025年には14012百万米ドルとさらに増加しています。全体として、この期間を通じて一貫した増加傾向が見られます。

資本に対するフリーキャッシュフロー (FCFE)

FCFEは、2020年から2021年にかけて、4178百万米ドルから8652百万米ドルへと大幅に増加しました。これは約107.1%の増加です。2022年には6594百万米ドルに減少しましたが、2023年には10311百万米ドルと再び増加し、2021年の水準に近づきました。2024年には10348百万米ドルとほぼ横ばいを維持し、2025年には12956百万米ドルと大幅な増加を示しています。FCFEも、全体として増加傾向にあります。

両指標とも、2021年、2023年、2025年にピークを迎え、2022年に一時的な減少が見られます。この減少の要因については、追加の分析が必要です。しかし、全体的な傾向としては、両指標ともに堅調な成長を示しており、キャッシュフロー創出力が改善していることが示唆されます。特に2025年のFCFEの増加は注目に値します。

分析期間において、株価は変動を示しています。2020年から2021年にかけて上昇傾向にありましたが、2022年には大きく下落しました。その後、2023年も引き続き低い水準で推移しましたが、2024年と2025年には顕著な上昇を見せています。

株価の推移

2020年の128.97米ドルから2021年には138.48米ドルへと増加し、2022年には112.5米ドルに低下しました。2023年は110.89米ドルとほぼ横ばいでしたが、2024年には172.99米ドル、2025年には179.72米ドルと大幅に上昇しています。

1株当たりフリーキャッシュフロー（FCFE）は、2020年から2021年にかけて大幅に増加しました。2022年には減少しましたが、2023年以降は再び増加傾向にあります。2025年には最も高い水準に達しています。

1株当たりFCFEの推移

2020年の3.69米ドルから2021年には7.73米ドルへと増加し、2022年には5.88米ドルに低下しました。2023年は9.26米ドル、2024年は9.31米ドルとほぼ横ばいでしたが、2025年には12.1米ドルと増加しています。

株価収益比率（P/FCFE）は、FCFEの変動と株価の変動に連動して変化しています。2021年には大幅に低下しましたが、その後は変動を繰り返しています。2025年には、分析期間を通して比較的低い水準で推移しています。

P/FCFEの推移

2020年の34.91から2021年には17.93に低下し、2022年には19.13に上昇しました。2023年は11.97、2024年は18.57、2025年は14.86となっています。

全体として、株価とFCFEは異なる動きを見せており、P/FCFEはこれらの変動を反映しています。特に、2024年と2025年の株価とFCFEの同時増加は注目に値します。P/FCFEの推移は、投資家がFCFEに対してどのような評価を与えているかを示す指標として解釈できます。