貸借対照表:負債と株主資本

貸借対照表は、債権者、投資家、アナリストに、会社のリソース(資産)とその資本源(資本および負債)に関する情報を提供します。通常、企業の資産の将来の収益能力に関する情報や、売掛金や棚卸資産から生じる可能性のあるキャッシュフローの指標も提供します。

負債は、過去の出来事から生じる会社の義務を表し、その決済は企業からの経済的利益の流出をもたらすと予想されています。

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Illinois Tool Works Inc.、連結貸借対照表:負債および株主資本

百万米ドル

総資産と負債の推移

期間を通じて、総負債と株主資本の合計は増加傾向にあり、2017年から2021年までに約16,000百万米ドルから約16,077百万米ドルへと拡大している。

特に、長期借入金は大きな変動を見せており、2017年の7,478百万米ドルから2018年の6,029百万米ドルに減少し、その後持ち直し7,754百万米ドルを記録した後、2021年には6,909百万米ドルに減少している。

流動負債も年々増加傾向にあり、2021年には34億7,000万米ドルと最も高い水準となっている。非流動負債も安定して高水準を維持しており、総負債の大部分を占めている。

自己資本の変動と構成

株主資本は、2017年の4,585百万米ドルから2021年には3,625百万米ドルへと減少したものの、その後若干回復している。剰余金は継続的に増加しており、特に2021年には24,325百万米ドルと大きく増加している。

一方、自己株式保有普通株式は増加傾向にあり、2021年には20,636百万米ドルに達している。これにより、株主資本の純粋な増減に影響を与えている。

その他包括損失累計額は、全期間を通じてマイナスの状態を維持しており、2021年には-1,502百万米ドルに改善している。

収益性と資本効率の指標

資本金追加は継続して拡大しており、2021年には1,432百万米ドルとなっている。これに伴い、剰余金も増加し、株主資本の充実に寄与していると考えられる。

配当金の支払いも着実に増加しており、2021年には382百万米ドルとなっていることから、株主への還元も進んでいると推測される。

流動性と短期資金管理

流動負債は、2017年の3,053百万米ドルから2021年の3,470百万米ドルに増加しており、一定の流動性管理は継続しているが、総負債に占める比率も高まりつつある。

短期借入金は、2018年に最も高い1,351百万米ドルを記録した後、その後は変動しながらも2021年には778百万米ドルに減少している。これにより、短期資金への依存度はやや低下していることが示唆される。

その他の重要な負債および資産

未払費用や未払法人税が増加傾向にあり、未払費用は2021年に1,648百万米ドルとなっている一方、未払法人税はやや増減を繰り返しながら2021年に77百万米ドルへと増加した。

年金および退職後給付債務は全期間で高水準を維持しており、2021年には235百万米ドルとなっている。一方、退職後給付債務は減少傾向にあり、2021年には148百万米ドルまで低下している。

結論

全体として、資産規模と負債残高はともに増加しており、収益性および株主価値の拡大が部分的に示されている。一方、自己株式の増加や負債比率の高さからは、資本構造の見直しや財務の安定性確保の重要性が示唆される。今後の財務運営においては、流動性管理と負債比率の適正化に注力する必要があると考えられる。