損益計算書の構造
Cadence Design Systems Inc.、連結損益計算書の構成
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2024-12-31), 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31).
- 売上構成の変化と収益性
- 2020年から2024年にかけて、製品とメンテナンスに基づく収益が全期間の約94%から90.78%に減少し、サービスの割合は約5.45%から9.22%に増加していることが示されている。特に、2024年にはサービス収益の比率が顕著に上昇しており、収益構造の変化が進行していることがうかがえる。売上総利益率は88.61%から86.05%へやや低下傾向にあるが、引き続き高い収益性を維持している。
- コスト動向と利益率
- 製品およびメンテナンスのコスト比率はやや増加傾向にあり、2024年には-9.41%に達している。一方、サービスのコスト比率は比較的安定しているが、2024年に2倍以上の増加を見せている。総じて、収益に対するコスト比率はやや拡大し、収益性に対する圧力が高まっている。また、営業利益率は2020年の24.06%から2024年には29.1%にやや上昇したが、年間の増減も見られる。
- 営業外収益と投資利益の推移
- 受取利息や投資による利益は徐々に増加しており、2024年にはそれぞれの比率が1.35%および1.07%に達している。為替差損益は2020年にプラス圏だったが、その後マイナスに傾き、2024年にはほぼ中立の状態が続いている。これにより、投資や為替リスクの影響が収益に与える影響は一定範囲内で推移していると考えられる。
- 法人税と純利益の動向
- 法人税引当金控除前利益は、一貫して増加し、2024年には30.07%となったが、法人税引当金は同期間に増加し、最終的に手取りの比率は2020年の22.02%から2024年には22.74%へ微増した後、再び22.74%に落ち着いている。法人税の増加により、純利益の増加ペースはやや鈍化している可能性が示唆されるが、全体として安定した収益基盤を維持していることが見て取れる。
- その他の要素と総合評価
- 研究開発費用比率は、35.14%から33.38%に低減しており、コスト管理の改善を示唆している。一方、「再構築」項目は変動が激しく、2021年に一時プラスとなった後、2024年では-0.51%、純粋な利益貢献の安定性には疑問が残る。全体として、効率性が若干改善している一方、収益源の多様化とコスト構造の変化が企業の財務パフォーマンスに影響を与えている。そこから、今後の収益構造の変化とコスト管理の継続が企業の安定性維持に重要であると考えられる。