貸借対照表の構造:負債と株主資本
四半期データ
レポートに基づく: 10-Q (報告日: 2024-03-31), 10-Q (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2023-09-30), 10-Q (報告日: 2023-06-30), 10-Q (報告日: 2023-03-31), 10-Q (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2022-09-30), 10-Q (報告日: 2022-06-30), 10-Q (報告日: 2022-03-31), 10-Q (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2021-09-30), 10-Q (報告日: 2021-06-30), 10-Q (報告日: 2021-03-31), 10-Q (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2020-09-30), 10-Q (報告日: 2020-06-30), 10-Q (報告日: 2020-03-31), 10-Q (報告日: 2019-12-31), 10-K (報告日: 2019-09-30), 10-Q (報告日: 2019-06-30), 10-Q (報告日: 2019-03-31), 10-Q (報告日: 2018-12-31), 10-K (報告日: 2018-09-30), 10-Q (報告日: 2018-06-30), 10-Q (報告日: 2018-03-31), 10-Q (報告日: 2017-12-31).
- 負債構造の変化
- 短期借入金の占める割合は、2017年12月以降の期間にわたり変動しながらも、2020年以降は全体的に増加傾向を示している。一方、長期借入金の割合は比較的安定しており、特に2020年以降は2.6%前後で推移している。長期負債の割合も大きく変動せず、約31%から33%の間で推移し、総負債に占める割合は過去数年にわたり約56%前後で安定している。これらの傾向は、短期負債の比率が増加している一方で、長期負債も堅調に維持されていることを示す。
- 流動負債の動向
- 流動負債の占める割合は2017年度から2023年度にかけて20%台から30%台に増加しており、2020年以降は特に27%前後で高水準を保っている。売却用流動負債は2020年以降に増加し、2021年には約3.4%まで高まった後、2023年には減少している。その他の流動負債は一定の範囲で推移し、2023年度時点では6.7%前後で推移している。この動きは流動負債の全体的な増加に伴い、短期資金調達の増加や運転資金管理の変化を反映している可能性がある。
- 純資産の推移
- ジョンソンコントロールズの株主資本は、2017年度の41.26%から2023年度の約36%まで変動し、一定の減少傾向を示している。自己株式の保有比率は負の値を示し、年々増加傾向にあり、2023年度には約-2.95%となっている。額面を超える資本比率は高水準で推移しており、2023年度は約40.5%を占めている。剰余金は過去数年間にわたり変動しつつも、2023年度に再び増加し、2.57%に達している。これらの動きは、配当や自己株式取得の影響を反映していると考えられる。総じて、資本構成の圧縮や自己株式の増加に伴う株主資本の減少傾向が観察される。
- 負債比率の安定性と財務健全性
- 総負債比率は2017年の56.34%から2023年には約58%前後にわずかに増加しているものの、大きな変動は見られず、堅実な財務構造が維持されていることが示唆される。特に、流動負債と長期負債のバランスは安定しており、短期負債の増加にもかかわらず、財務の健全性を損なう兆候は少ない。このことからは、同社が適切な負債管理を行い、資金調達の柔軟性を確保しつつ、長期的な財務安定性を追求しているとの解釈ができる。
- その他の注意点
- 未払いの報酬と福利厚生の比率は一定範囲内で変動し、2020年以降はやや増加している。一方、その他包括損失累計額は負の値を維持しつつも、やや大きく変動している。これらの指標は、従業員福利やその他の包括的損失に関連した負債や資本の変動を示し、財務の健全性への影響やリスク管理の動向を示唆している。特に、自己株式の負の比率が継続的に増加している点は、資本政策の一環として自己株式取得が進められている可能性を示している。