収益率は、企業がそのリソース(資産)から収益性の高い売上を生み出す能力を測定します。
収益率(サマリー)
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2024-12-31), 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31).
- 売上総利益率
- 2020年から2024年にかけて売上総利益率は一貫して低水準で推移しており、2021年には約9.2%まで改善したものの、その後再び低下傾向を示している。2024年末の値は8.26%と、2020年の水準に近づきつつあるが、安定した高収益性には至っていない。
- 営業利益率
- 営業利益率は2020年に-3.8%とマイナスに転じ、その後2021年に回復し3.58%を記録している。その後、2022年と2023年には4.21%と一時的に改善したものの、2024年には3.02%に若干低下している。全体としては、利益率の向上と安定を目指す動きが見られるが、依然として収益性の課題が存在している。
- 純利益率
- 2020年は-1.1%の赤字を示したが、2021年には純利益率が14.21%に大きく改善し、黒字に転じた。その後、2022年に再び-1.33%と赤字に陥ったものの、2023年には2.62%と黒字に回復、2024年には3.4%へと増加している。この動きは、収益性の回復と黒字化に向けた努力の結果と考えられる。
- 自己資本利益率(ROE)
- 2020年には-4.17%とマイナスだったが、2021年に大きく改善し36.97%を記録している。その後、2022年には-4.58%に戻る局面もあったが、2023年には10.16%、2024年には13.11%と継続的に向上しており、株主資本に対する収益性の改善が進んでいる。
- 総資産利益率(ROA)
- 2020年には-0.48%とマイナスであったが、2021年には6.98%へと大きく改善している。その後、2022年に-0.77%に戻る局面もあったものの、2023年には1.59%、2024年には2.06%といったん回復基調にあり、資産運用効率の向上を示唆している。
売上高利益率
投資収益率
売上総利益率
| 2024/12/31 | 2023/12/31 | 2022/12/31 | 2021/12/31 | 2020/12/31 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | ||||||
| 粗利 | 14,272) | 15,351) | 14,682) | 11,617) | 3,189) | |
| Ford Creditを除く会社の収益 | 172,706) | 165,901) | 149,079) | 126,268) | 115,941) | |
| 収益率 | ||||||
| 売上総利益率1 | 8.26% | 9.25% | 9.85% | 9.20% | 2.75% | |
| ベンチマーク | ||||||
| 売上総利益率競合 他社2 | ||||||
| General Motors Co. | 11.97% | 10.36% | 11.87% | 11.49% | 10.25% | |
| Tesla Inc. | 17.86% | 18.25% | 25.60% | 25.28% | 21.02% | |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2024-12-31), 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31).
1 2024 計算
売上総利益率 = 100 × 粗利 ÷ Ford Creditを除く会社の収益
= 100 × 14,272 ÷ 172,706 = 8.26%
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- 売上総利益の推移と規模
- 2020年から2024年にかけて、売上総利益(粗利益)は増加傾向にあり、2021年には大きく跳ね上がり、その後も年間を通じて高水準を維持している。特に2021年の売上総利益は約1,1617百万米ドルと、前年度の約3,189百万米ドルから飛躍的に増加している。これにより、収益性向上と規模拡大の両面で成長を遂げていることが示唆される。
- 収益の動向
- Ford Creditを除く事業の収益は一貫して増加している。2020年の約115,941百万米ドルから2024年には約172,706百万米ドルに拡大しており、継続的な成長が確認できる。この間、年次ごとに堅実な増加を示し、特に2021年から2024年にかけて顕著な増加が見られる。
- 売上総利益率の変動
- 売上総利益率は2020年の2.75%から2021年には9.2%に跳ね上がり、その後も9%台後半を維持していたが、2024年には8.26%まで低下している。この動きは、収益の増加に伴うコスト構造の変化や競争環境の変動、あるいは商品・サービスの構成変化を反映している可能性がある。売上総利益率の一貫性に欠ける点は、収益性の維持・向上に向けた課題を示していると考えられる。
営業利益率
| 2024/12/31 | 2023/12/31 | 2022/12/31 | 2021/12/31 | 2020/12/31 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | ||||||
| 営業利益(損失) | 5,219) | 5,458) | 6,276) | 4,523) | (4,408) | |
| Ford Creditを除く会社の収益 | 172,706) | 165,901) | 149,079) | 126,268) | 115,941) | |
| 収益率 | ||||||
| 営業利益率1 | 3.02% | 3.29% | 4.21% | 3.58% | -3.80% | |
| ベンチマーク | ||||||
| 営業利益率競合 他社2 | ||||||
| General Motors Co. | 7.45% | 5.90% | 7.16% | 8.21% | 6.10% | |
| Tesla Inc. | 7.24% | 9.19% | 16.76% | 12.12% | 6.32% | |
| 営業利益率セクター | ||||||
| 自動車&コンポーネント | 5.67% | 5.63% | 8.08% | 6.94% | 1.65% | |
| 営業利益率産業 | ||||||
| 消費者裁量 | 10.96% | 9.02% | 8.35% | 8.71% | 6.42% | |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2024-12-31), 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31).
1 2024 計算
営業利益率 = 100 × 営業利益(損失) ÷ Ford Creditを除く会社の収益
= 100 × 5,219 ÷ 172,706 = 3.02%
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- 営業利益の推移
- 2020年には営業損失を計上していたが、2021年以降は黒字を維持し、2022年にはピークの6,276百万米ドルに達している。2023年と2024年には若干の減少傾向を示しているものの、依然として堅調な黒字を維持している。
- 営業利益率の変動
- 2020年には営業利益率がマイナスであったが、2021年にプラスに転じて3.58%を記録し、その後2022年には4.21%と最も高い値を示した。ただし、2023年と2024年には徐々に低下し、2024年には約3.02%となっている。これは収益性がやや圧迫されていることを示唆している。
- 収益の推移
- Ford Creditを除く営業活動に関連する収益は、2020年の115,941百万米ドルから2024年には172,706百万米ドルに増加しており、全体的な収益拡大が続いている。特に2021年から2022年にかけて顕著な増加が見られることから、販売やサービス展開の拡大が収益増につながっていると考えられる。
- 総合的な評価
- 2020年の大幅な損失後、2021年から2022年にかけて営業利益と収益のいずれも大きく回復し、収益性も改善されたことから、財務的には回復基調を辿っているといえる。ただし、2023年以降の小幅な利益率の低下は、市場や運営コストの変動による影響を受けている可能性がある。今後の利益性維持には、コスト管理と収益拡大の両面での改善策が必要と考えられる。
純利益率
| 2024/12/31 | 2023/12/31 | 2022/12/31 | 2021/12/31 | 2020/12/31 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | ||||||
| フォード・モーター・カンパニーに帰属する当期純利益(損失) | 5,879) | 4,347) | (1,981) | 17,937) | (1,279) | |
| Ford Creditを除く会社の収益 | 172,706) | 165,901) | 149,079) | 126,268) | 115,941) | |
| 収益率 | ||||||
| 純利益率1 | 3.40% | 2.62% | -1.33% | 14.21% | -1.10% | |
| ベンチマーク | ||||||
| 純利益率競合 他社2 | ||||||
| General Motors Co. | 3.50% | 6.42% | 6.90% | 8.82% | 5.91% | |
| Tesla Inc. | 7.26% | 15.50% | 15.41% | 10.25% | 2.29% | |
| 純利益率セクター | ||||||
| 自動車&コンポーネント | 4.29% | 7.01% | 5.48% | 11.40% | 2.29% | |
| 純利益率産業 | ||||||
| 消費者裁量 | 8.69% | 7.84% | 5.02% | 9.12% | 5.18% | |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2024-12-31), 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31).
1 2024 計算
純利益率 = 100 × フォード・モーター・カンパニーに帰属する当期純利益(損失) ÷ Ford Creditを除く会社の収益
= 100 × 5,879 ÷ 172,706 = 3.40%
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- 収益の推移:
- 報告期間の総収益は、2020年から2024年にかけて着実に増加しており、2020年の約1159億ドルから2024年には約1727億ドルに達している。この傾向は、同社の基本的な事業規模が拡大していることを示している。
- 純利益の変動:
- 純利益は、2020年のマイナス1279百万ドルから2021年に大きく改善し、1万7937百万ドルの純利益を達成しているが、その後2022年には再び約-1981百万ドルの損失を記録している。2023年には4347百万ドル、2024年には5879百万ドルと、底を打った後回復傾向にあることが見て取れる。これは、特定年度の非継続事業や一時的な影響があった可能性を示唆している。
- 当期純利益の寄与:
- フォード信用を除いた純利益は、2020年の約1159億ドルから2024年には約1727億ドルに増加しており、事業の基盤が拡大し安定性も向上していることを示している。この数値の増加は、総収益の成長とともに収益性が向上していることを反映している。
- 純利益率の動向:
- 純利益率は、2020年には約-1.1%とマイナスであったが、その後2021年に14.21%へと大きく改善し、その後2022年には再びマイナス1.33%となるも、2023年には2.62%、2024年には3.4%とプラスに回復し、持続的な収益性の向上が示されている。これにより、同社は収益性と効率の改善に取り組んできたことが伺える。
自己資本利益率 (ROE)
| 2024/12/31 | 2023/12/31 | 2022/12/31 | 2021/12/31 | 2020/12/31 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | ||||||
| フォード・モーター・カンパニーに帰属する当期純利益(損失) | 5,879) | 4,347) | (1,981) | 17,937) | (1,279) | |
| フォード・モーター・カンパニーに帰属する持分 | 44,835) | 42,773) | 43,242) | 48,519) | 30,690) | |
| 収益率 | ||||||
| ROE1 | 13.11% | 10.16% | -4.58% | 36.97% | -4.17% | |
| ベンチマーク | ||||||
| ROE競合 他社2 | ||||||
| General Motors Co. | 9.53% | 15.75% | 14.65% | 16.77% | 14.27% | |
| Tesla Inc. | 9.73% | 23.94% | 28.09% | 18.28% | 3.24% | |
| ROEセクター | ||||||
| 自動車&コンポーネント | 10.50% | 17.37% | 13.17% | 24.18% | 5.99% | |
| ROE産業 | ||||||
| 消費者裁量 | 27.93% | 29.93% | 20.78% | 33.71% | 24.49% | |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2024-12-31), 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31).
1 2024 計算
ROE = 100 × フォード・モーター・カンパニーに帰属する当期純利益(損失) ÷ フォード・モーター・カンパニーに帰属する持分
= 100 × 5,879 ÷ 44,835 = 13.11%
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- 当期純利益の傾向
- 2020年には大きな赤字を計上していたが、2021年には大幅な黒字に転じている。これは、2021年の純利益が17,937百万米ドルとなり、その後も2023年に再び黒字化している。2022年は再び赤字となったものの、その後の2023年、2024年には黒字が継続して増加傾向にあることから、財務状況の改善と収益の回復傾向が見られる。
- 持分の推移
- 持分は、2020年に30,690百万米ドル、2021年にピークの48,519百万米ドルを記録した後、2022年にやや減少し、2023年以降は緩やかに増加している。これにより、自社の資本は一定の成長を維持しつつも、一時的な変動があったことが示唆される。2024年には約44,835百万米ドルに達し、安定した資本規模を維持していると推測される。
- ROE(自己資本利益率)の動向
- 2020年にはマイナスの4.17%となり、資本効率の低さを示していたが、2021年の株主資本の増加とともに、36.97%の高い収益性を記録している。2022年には再びマイナスの4.58%となったが、その後の2023年には10.16%、2024年には13.11%と、安定的にプラスのROEを獲得し、収益性の改善傾向が見て取れる。総じて、資本効率と収益性の面で好調なパフォーマンスを示している。
総資産利益率 (ROA)
| 2024/12/31 | 2023/12/31 | 2022/12/31 | 2021/12/31 | 2020/12/31 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 選択した財務データ (百万米ドル) | ||||||
| フォード・モーター・カンパニーに帰属する当期純利益(損失) | 5,879) | 4,347) | (1,981) | 17,937) | (1,279) | |
| 総資産 | 285,196) | 273,310) | 255,884) | 257,035) | 267,261) | |
| 収益率 | ||||||
| ROA1 | 2.06% | 1.59% | -0.77% | 6.98% | -0.48% | |
| ベンチマーク | ||||||
| ROA競合 他社2 | ||||||
| General Motors Co. | 2.15% | 3.71% | 3.76% | 4.09% | 2.73% | |
| Tesla Inc. | 5.81% | 14.07% | 15.25% | 8.88% | 1.38% | |
| ROAセクター | ||||||
| 自動車&コンポーネント | 2.76% | 4.51% | 3.41% | 5.94% | 1.06% | |
| ROA産業 | ||||||
| 消費者裁量 | 8.12% | 7.57% | 4.81% | 7.99% | 4.36% | |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2024-12-31), 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31).
1 2024 計算
ROA = 100 × フォード・モーター・カンパニーに帰属する当期純利益(損失) ÷ 総資産
= 100 × 5,879 ÷ 285,196 = 2.06%
2 競合企業の名前をクリックすると、計算が表示されます。
- 当期純利益の推移
- 2020年には大幅な純損失を計上しているが、その後は黒字に転じており、2021年には約1億7937万ドルの純利益、2023年には約4億347万ドル、2024年には約5億879万ドルへと着実に回復している。特に2021年の純利益の増加は、事業の回復または一時的な特殊要因によるものと考えられる。2022年の純利益は再び赤字に転じているが、その後の年度で著しい回復を見せている。
- 総資産の動向
- 総資産は2020年時点で約2672億6100万ドルであったが、その後はやや縮小し、2022年には約2558億8400万ドルに減少している。しかし、2023年から2024年にかけて資産は増加傾向にあり、2024年には約2851億9600万ドルに達している。これは資産の増加が財務体質の改善または成長に向けた投資によるものと推察される。
- ROA(総資産利益率)の評価
- 2020年のROAは-0.48%とマイナスであり、総資産に対して利益を出せていない状況だった。2021年には6.98%と大きく改善し、黒字化と効率的な資産運用を示している。2022年には-0.77%へと再びマイナスに転じているが、その後は回復局面に入り、2023年には1.59%、2024年には2.06%と、利益効率が継続して向上している。これにより、総資産を用いた収益創出能力が年々増加していることが示唆される。