損益計算書
損益計算書は、一定期間にわたる企業の事業活動の財務結果に関する情報を示しています。損益計算書は、会社が期間中にどれだけの収益を生み出したか、そしてその収益を生み出すことに関連してどのような費用がかかったかを伝えます。
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31).
- 収益の推移と分析
- 営業収益は2019年の45,768百万米ドルから2020年に大きく減少し、17,337百万米ドルとなった。その後、2021年には29,882百万米ドルに回復し、2022年には48,971百万米ドルに再増加、2023年には52,788百万米ドルに達しており、一貫して増加傾向にある。特に2021年と2022年の回復は、航空業界の需要回復および運航活動の正常化を反映していると考えられる。
- 運航関連費用と利益の変動
- 主要な運営費用の一つである航空機の燃料税および関連税は、2019年から2023年まで一貫して増加している傾向が見られ、2023年には12,257百万米ドルとなった。人的資源費用は、2023年に14580百万米ドルと最も高く、労働契約費用と退職金の増加も相まって、運営コストの上昇を示している。その結果、営業利益は2020年に大幅な赤字(-10,421百万米ドル)を計上したが、2022年から2023年にかけて黒字に回復している。2023年の営業利益は3,034百万米ドルに改善している。
- 純利益と収益性の指標
- 2019年の当期純利益は1,686百万米ドルであったが、2020年には大幅な赤字(-8,885百万米ドル)となった。これは、世界的なパンデミックの影響による交通量の減少とコスト増加に起因している。2021年も損失を計上したが、2022年には127百万米ドルに持ち直し、2023年には822百万米ドルまで回復している。税引前利益の変動も類似しており、2020年に損失が大きく膨らんだが、その後順調に改善している。これにより、全体的にはコロナ禍を経て業績が回復基調にあると考えられる。
- その他の収益・費用項目の影響
- 利息収入は2020年から2023年にかけて増加傾向にあり、2023年には591百万米ドルとなった。一方、支払利息も増加しているが、2023年の純額ではマイナスとならず、収益改善に寄与している可能性が示唆される。その他の収入や費用の変動を見ると、2023年は損失が増加した一方で、営業外の費用も増加していることから、全体の収益性に一定の圧力がかかっている。特に税引前利益の回復が、純利の改善と相関している。
- 総括
- 2020年の世界的なパンデミックによる大きな収益減少とコスト増加を経て、2021年から2023年にかけて業績は回復基調にある。収益の増加に伴い、コストも増加しているものの、最終的には営業利益および純利益の改善に向かっている。今後は、燃料コストや人件費の動向に注意を払いながら、需要回復による収益基盤の安定化を図ることが重要である。全体としては、パンデミックの影響からの復興とともに、収益性の改善が進んでいると評価できる。