デュポンの分析: ROE、ROA、純利益率の内訳
ROE分解では、純利益を株主資本で割ったものを構成比率の積として表します。
ROEを2つのコンポーネントに分解
Cummins Inc.、ROEの分解
| ROE | = | ROA | × | 財務レバレッジ比率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023/12/31 | 8.31% | = | 2.30% | × | 3.62 |
| 2022/12/31 | 23.97% | = | 7.10% | × | 3.38 |
| 2021/12/31 | 25.15% | = | 8.99% | × | 2.80 |
| 2020/12/31 | 22.19% | = | 7.91% | × | 2.81 |
| 2019/12/31 | 30.11% | = | 11.45% | × | 2.63 |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31).
- 総資産利益率（ROA）の推移
- 2019年度には11.45％の高さを示し、比較的良好な資産効率を示していたが、その後2019年度から2023年度にかけて継続的に低下し、2023年度には2.3％まで減少している。これは、資産の収益性が年々低下していることを反映している。
- 財務レバレッジ比率の変化
- 財務レバレッジ比率は、2019年度の2.63から2023年度の3.62へと着実に増加しており、負債比率の増加または自己資本に対する負債の増加を示唆している。これにより、財務構造が積極的にレバレッジを掛ける方向へ変化していることがわかる。
- 自己資本利益率（ROE）の変動
- 2019年度には30.11％と高い収益性を示していたが、その後22.19％に低下し、2021年度には25.15％まで回復したものの、2022年度には23.97％、2023年度には8.31％まで大きく下落している。これにより、株主資本に対する収益性が著しく悪化していることが示されている。
- 総合的な分析
- 全体として、総資産利益率と自己資本利益率の両指標が2019年度以降減少傾向を示す中、財務レバレッジは増加している。これにより、会社は負債を増やすことによって収益性の低下を一時的に補おうとしている可能性がある。特に2023年度のROEの急激な低下は、収益性や資産運用効率低下の深刻さを示しており、財務戦略や業績改善への注力が必要と考えられる。
ROEを3つの要素に分解
Cummins Inc.、ROEの分解
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31).
- 純利益率の動向
- 分析期間を通じて、純利益率は徐々に低下しており、2023年度には2.16％まで下落している。これは、売上高や収益性の圧迫を反映している可能性があり、利益効率の改善が必要とされる状況を示唆している。
- 資産回転率の推移
- 資産回転率は、2019年度の1.19から2020年度に0.88へ低下し、その後2021年度には1.01に回復、2022年度には0.93と若干の変動を見せている。2023年度には1.06とやや上昇し、資産を効率的に活用していることが示唆されるが、全体としては比較的安定した範囲内にある。
- 財務レバレッジ比率の変化
- 財務レバレッジ比率は、2019年度の2.63から2020年度に2.81へ上昇し、その後2021年度にはほぼ横ばいの2.8を維持。2022年度に3.38と増加し、2023年度には3.62まで上昇している。この傾向は、負債を通じた資本の拡大を継続的に行っていることを示し、財務構造のレバレッジを高めていることを反映している。
- 自己資本利益率（ROE）の変動
- ROEは、2019年度には30.11％と高水準を示しているが、その後2020年度に22.19％に大きく低下し、2021年度には再び25.15％に上昇した後、2022年度には23.97％へやや低下している。2023年度には8.31％に著しく下落しており、収益性の下振れ、特に最終純利益の減少が影響していると考えられる。この変動は、企業の利益創出能力の変化や、資本構造の変化と関連している可能性がある。
ROEを5つの要素に分解
Cummins Inc.、ROEの分解
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31).
- 税負担率の推移
- 税負担率は2019年から2022年までのおいておおむね高水準を維持しており、2019年の0.80から2022年の0.77へやや低下している。2023年には著しく低下し、0.48となっている。これは、2023年度において税負担の軽減や税務戦略の変更があった可能性を示唆している。
- 利息負担率の推移
- 利息負担率は2019年から2022年までほぼ一定に近い水準で推移し、2019年の0.96から2022年の0.93へやや低下している。2023年には0.8へさらに減少しており、負債に対する利息負担の軽減傾向が見られる。
- EBITマージン率の推移
- EBITマージン率は2019年の12.45%から2022年には10.64%へ低下し、その後2023年には5.57%と大幅に減少している。これは、収益に対する営業利益の比率が大きく縮小していることを示唆しており、コスト増加や収益構造の変化が影響している可能性がある。
- 資産回転率の推移
- 資産回転率は2019年の1.19から2020年の0.88へ著しく低下した後、2021年には1.01に回復し、その後2022年と2023年にはそれぞれ0.93と1.06となり、概ね安定した範囲内で推移している。これにより、資産の効率的な運用が一時的に悪化した後、回復していることが示唆される。
- 財務レバレッジ比率の推移
- 財務レバレッジ比率は2019年の2.63から2023年の3.62にかけて継続的に上昇しており、これは負債に依存した資本構造の増加を示している。特に2022年から2023年にかけての増加率が高いことから、積極的な資金調達やレバレッジの拡大戦略が進行していると考えられる。
- 自己資本利益率（ROE）の推移
- ROEは2019年の30.11%から2023年には8.31%に大きく低下している。これは、収益性の低下や資本の効率的な運用が影響していると推察され、財務効率の改善や収益改善策が必要となる可能性がある。
ROAを2つのコンポーネントに分解
Cummins Inc.、ROAの分解
| ROA | = | 純利益率 | × | 資産回転率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023/12/31 | 2.30% | = | 2.16% | × | 1.06 |
| 2022/12/31 | 7.10% | = | 7.66% | × | 0.93 |
| 2021/12/31 | 8.99% | = | 8.87% | × | 1.01 |
| 2020/12/31 | 7.91% | = | 9.03% | × | 0.88 |
| 2019/12/31 | 11.45% | = | 9.59% | × | 1.19 |
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31).
- 純利益率
- 2019年から2023年にかけて、純利益率は概ね減少の傾向を示している。特に2023年には大きく低下し、2.16%と他の年度と比べて著しく低い水準となっている。これにより、総売上に対する純利益の割合が縮小していることが示唆される。
- 資産回転率
- 資産回転率は2019年の1.19から2020年の0.88に著しく低下した後の2021年に1.01へ回復、その後2022年には0.93にやや減少し、2023年には1.06に上昇している。この変動は、一時的に資産の効率的運用が低下したものの、近年ではやや回復基調にあることを示している。
- 総資産利益率 (ROA)
- 総資産利益率は2019年の11.45%から2020年の7.91%に急激に低下し、その後2021年には8.99%へ回復したが、2022年には7.1%に落ち込み、2023年には2.3%と大きく減少している。この傾向は、資産の効率的な運用や利益の創出能力が年々弱まっていることを示している。特に2023年には、資産投資に対する収益性が著しく低下していることが見て取れる。
ROAを4つの要素に分解
Cummins Inc.、ROAの分解
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31).
- 税負担率
- 分析期間を通じて、税負担率は比較的安定しており、2019年から2022年までわずかに低下傾向を示しているが、2023年に大きく低下し、0.48に達している。これは、税負担の軽減や税優遇措置の影響を反映している可能性がある。
- 利息負担率
- 利息負担率もほぼ一定で推移し、2019年から2022年にかけて0.96前後で安定している。一方、2023年には0.8に低下しており、金利負担の軽減または負債水準の変動を示唆している可能性がある。
- EBITマージン率
- EBITマージン率は、2019年の12.45%から徐々に低下し、2022年には10.64%、2023年には約5.57%にまで落ち込んでいる。この持続的な減少は、収益性の低下やコスト増加、或いは市場環境の変化などを反映していると考えられる。
- 資産回転率
- 資産回転率は、2019年の1.19から2020年に0.88に低下した後、2021年に1.01に回復し、2022年には0.93、2023年には1.06へと若干回復している。これらは、資産の効率的な運用が一時的に低下したが、その後改善していることを示唆している。
- 総資産利益率 (ROA)
- 総資産利益率は、2019年に11.45%と高い水準を示した後、2020年に7.91%、2021年に8.99%、2022年には7.1%と低下傾向を見せている。2023年には2.3%まで下落しており、資産からの収益効率の低下が顕著である。この傾向は、企業の収益性低下や経営効率の課題を示している可能性がある。
当期純利益率の分解
Cummins Inc.、純利益率の分解
レポートに基づく: 10-K (報告日: 2023-12-31), 10-K (報告日: 2022-12-31), 10-K (報告日: 2021-12-31), 10-K (報告日: 2020-12-31), 10-K (報告日: 2019-12-31).
- 税負担率
- 税負担率は、2019年から2022年にかけて比較的安定した範囲（約0.77から0.8）で推移しているが、2023年に著しく低下し、0.48にまで下落している。この変動は、税負担の軽減や税制上の特別な措置、または一時的な税務調整の可能性を示唆している。今後の税負担率の動向に注目が必要である。
- 利息負担率
- 利息負担率は、2019年から2022年までおおむね安定しており（約0.96から0.93）、2023年に改定されて0.8に低下している。これにより、負債コストの削減や金利の低下、負債比率の改善といった要素が反映されている可能性がある。この改善は、財務の健全性を支える要因と考えられる。
- EBITマージン率
- EBITマージン率は、2019年の12.45%から2022年には10.64%に低下し、全体として減少傾向を示す。2023年には5.57%にさらに低下しており、収益性の圧迫を示唆している。この傾向は、コスト増や価格圧力、または市場の競争激化といった要因による可能性がある。収益性の改善には経営上の改善策が求められる。
- 純利益率
- 純利益率も、2019年の9.59%から2022年には7.66%、2023年には2.16%へと低下している。この著しい減少は、収益性のさらなる悪化を示すものであり、外部経済環境の悪化やコスト増、または為替レートの変動が影響している可能性がある。今後の利益確保に向けた施策が重要となる。